うぐいす共同作業所
うぐいす共同作業所は主に、発達障害や知的障害などで支援を必要とする方が通所されています。「働くこと」を通じて一緒に過ごす仲間や職員とのコミュニケーションをとり、心豊かに共生・共に成長することを目指しています。
うぐいすでは「働くこと」以外にも特別な配慮が必要な方たちのプログラムを用意し、ひとつの仕事にとらわれるのではなく一人ひとりの状況にあったグループで活動をしています。
自閉症の説明
自閉スペクトラム症(ASD)とは脳の器質的な障害で、「社会性の特性・コミュニケーションの特性・想像力の特性」などの特性が現れます。先天的な障がいであるため、育て方などの影響によって発症するものではないとされています。
うぐいす共同作業所は主に、知的障害や自閉スペクトラム症などの発達障害がある仲間が通所しています。それぞれの仲間に合わせた支援ができるように心がけています。
取り組んでいる作業
ウエス(工場で使われる機械の油を取る布)の制作、建築資材の組み立て・書類の封入作業などの下請け作業、「ふわふわいりこ」といういりこせんべいの制作などを行っています。5丁目・6丁目・7丁目ともに取り組んでいる作業は共通したものであることが多いです。
うぐいす共同作業所ではお仕事だけではなく、生活の中でその人その人それぞれにとって必要な支援や余暇支援なども行っています。
自分のペースで・・・
一人ひとりのペースに合わせたスケジュールを作り、1日の見通しをもって活動できるようにしています。仲間一人ひとりに対して丁寧にアセスメントを重ね、障がいの特性や個々人の性格などに合わせて適切な環境を整えながら作業に取り組んでいます。
主には自閉スペクトラム症の支援として「構造化」という手法を用いています。
・構造化
自閉スペクトラム症の仲間たちは、私達とモノの認識が異なります。全体よりも細部に注目してしまうことや、周りが気になって一つのことに集中し続けることが難しいことがあります。適切な活動を適切な場所で行えるように、「今、ここで何をするべきなのか」ということがわかりやすいような環境を作ると、理解がしやすくなります。パーテーションや、色分けなどで目で見てわかりやすく情報を伝える手法のことを構造化といいます。
・スケジュール
自閉スペクトラム症の特徴の一つとして「目の前にないことを想像することが難しい」ということがあります。「今日作業所にきて、何をするのだろう、いつまで続くのだろう」ということが想像できず、不安になってしまいます。スケジュールは今日一日何があるのか、いつまでにどうなったら終わるのかを目で見てわかりやすい形で提示することで、一日の見通しを持って安心して一日をすごすことができるようになるために必要な支援です。それぞれの仲間に合わせてスケジュールの様式なども調整しています。
・PECS
自閉スペクトラム症の仲間たちの中には言葉で気持ちや意思を伝えることが難しいひとがいます。また、言葉の理解ができていても自分から気持ちを伝えることが難しいこともあります。PECS(Picture Exchange Communication System)は絵カードでコミュニケーションを取る支援の手法です。絵カードをつうじて、自分の気持が通じることで、大きな自信につながることもあります。またこの成功体験が自分からコミュニケーションを取ろうという自発性を育むことにもつながります。
1日のスケジュール
送迎車などで通所
朝の会
午前の作業
5丁目・6丁目・7丁目という3つの部屋に分かれて、作業をします。
11時ごろにはお茶休憩があります。
給食とお昼休憩
食事が難しい仲間には食事介助をします(口元に食べ物を運ぶなど)
お昼休憩は仲間それぞれが ゆっくりと時間をすごします。
午後の作業
14時にお茶休憩があります。
掃除 帰りの会
送迎で家やグループホームに帰る
5丁目
5丁目は主に自閉スペクトラム症の専門的な支援を必要とする仲間が所属しています。障害の特性に合わせて、仲間たちが過ごしやすい環境を用意しています。具体的には、1日の活動の見通しをもてるようにスケジュールを活用する、目の前の活動に集中できるようにパーテーション等を利用して「構造化」をすすめる、発語が難しい仲間に対する絵カードでのコミュニケーション(PECS)などに取り組んでいます。支援の形も内容もそれぞれの仲間に合わせたオーダーメイドです。作業中の様子の写真。職員と仲間が協力し、作業や余暇活動に取り組んでいます。
6丁目
6丁目の仲間はたくさん働くことよりも、音楽などを聞きながら、仲間たちと談笑しながら穏やかに過ごすことを目的としている作業班です。毎週火曜日には編み物や工作などの余暇活動にも取り組んでいます。車いすを利用している仲間もいます。一部自閉スペクトラム症の仲間に対する支援(パーテーションやスケジュールなど)も導入しています。
言葉がけや世間話などをして気持ちを高めながら楽しくすごしています。
7丁目
7丁目は主にお仕事を頑張りたいという仲間たちが所属しています。作業中は基本的に作業に集中して取り組むことが多いですが、職員や仲間同士で声を掛け合うこともあります。
一部自閉スペクトラム症の支援を必要とする仲間たちのための支援があります。(スケジュール・物理的構造化・PECSなど)給料を稼ぎたい気持ちやお仕事をすることで業者など他の人々とのつながりを作業のモチベーションにしている仲間たちが日々頑張っています。
施設概要
施設種別 | 障がい者福祉サービス 生活介護 |
住所 | 〒732-0013 広島市東区戸坂南1丁目26-1 |
TEL/FAX | TEL:082-229-2751 FAX:082-229-2761 |
作業時間 | 10:00~16:00 |
定員 | 20名 |
職員数 | 7名 |
作業内容 | 箱おり・ウエス・建築部品下請・再生はがき・水産物加工(いりこ) |
開所 | 2004年 4月開所 日本自転車振興会 助成 |